幻燈機

ここは同人要素を含む2次創作ブログです。
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図書館

►2008/09/14 23:31 

革命よりだいぶ先。

別冊発売後に書いたもの。

堂上2人・小牧1人・手塚家双子の子供が出てきます。
堂上家の食卓話。
《平穏》と話は繋がるかもです。

そんな話は嫌だという方はスルーして下さい。

誤字とかあったら、こそりと教えてください。

幸福の花のたねさんの感想で、一気に浮かんだお話です。
ありがとうございました。

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    《ミニ班長》

 「ただいまー」
 「ただまー」
 玄関から元気のいい声がしたかと思ったら、バタバタと2つの足音がした。
 「おかえりー」
 「ご飯出来てるから、手を洗って来い」
 篤にそう言われて、子供達は連れ立って洗面所へと向かった。
 洗面所からは上の子の「指の間まで洗え」などと言う小言が聞こえてくる。
 「クスクス、ミニ堂上のお説教だ」
 「ミニ笠原は相変わらず、手がかかるらしいな」
 テーブルをセッティングしながら、篤と郁はおかしそうに顔を見合わせて笑った。
 「いくー、てぇあらってきたよー」
 「お前はーっ、ちゃんと手ぇ拭けー!!」
 洗面所から出てきた下の子を、タオルを持った上の子が追い掛け回して拭くのはいつもの日課になっている。
 「ねー、コイツにちゃんと手ぇ拭くように言ってよー。いっつもちゃんと拭かないんだよ!」
 「ちゃんとふいてるもーん!はんちょーは、いつもうるさーい!」
 いーっと下の子が歯をむけば、すかさずそこへ上の子が拳骨を落とす。
 落とし方はまさに父親そっくりで、堂に入ったものだった。
 「ねぇ、班長って何?」
 「ゴリラたいちょーが、みにどうじょうはんのはんちょーっていったー」
 郁の問いかけに、下の子は上の子を指差して元気に答えた。
 「…ゴリラ…玄田隊長だろうが!」
 「ゴリラそっくりじゃん、あの人。それに、そう呼んでいいって言ってるよ」
 篤の呟きに上の子は、しれっと答えた。
 小さい頃から玄田隊長の事を「ゴリラ隊長」と呼んでいるせいもあるが、玄田本人も気にせず子供達にそう呼ばせているせいで、子供達の間ではそう呼ぶのが当たり前になっている。
 「で、アンタが班長なの?」
 「んー、何かそうみたい。で、小牧が副班長だって。任命とか言われたしー」
 そう言いながら下の子を抱えて椅子に座らせる上の子の顔は、どこか不本意だと言わんばかりに眉間に皺を寄せている。
 「みにどうじょうはんのはんちょー」
 きゃっきゃっと下の子は面白そうに騒ぐので、ますます上の子は不機嫌になって椅子にドカッと座った。
 「じゃ、食べよっか」
 全員テーブルについたのを確認してから、郁が声をかけると「いただきます」と一斉に手を合わせた。
 
 「で、今日は何してたの?」
 晩ご飯を食べながら、今日一日の事を話すのが堂上家の晩御飯の風景だった。
 「小牧さん家で宿題やってから、チビ達連れて図書館に行ってた」
 もぐもぐと口を動かしながら答える上の子に続いて、下の子も「おやつもらったー」などと報告する。
 「お前、口に物入れて喋るな!こぼしてるだろー!」
 上の子がぶつぶつ小言を言いながら、下の子の口の周りについたご飯粒を取ってやるのもいつもの事だった。
 「そんなんだから、手塚の双子にも怒られるんだ」
 「ちゃんとかたづけてるのに、てづかははんちょーみたいに、ちがうとかうるさんだよー!」
 そう言って、勢いよく芋の煮っ転がしに箸を突き刺す下の子の姿に、郁のそれを重ねて篤は「ミニ笠原」とはよく言ったものだと苦笑する。
 「お前が元の順番通りに本を片付けないからだ」
 しれっと言い放つ上の子に頬を膨らませ、下の子はご飯をがつがつと勢いよくかき込んだ。
 「よその家なんだから、キチンと片付ける事は大事だぞ」
 篤にそう注意され、口を尖らせながらも頷く下の子に「いい子だな」と上の子が頭をぽんぽんとする姿に、今度は郁が篤の姿を重ねて苦笑する。
 「図書館で本でも借りてきたの?」
 「んー、返却図書を本棚に並べてきた」
 上の子の思わぬ返答に、篤と郁は一瞬目を目を開いて驚いた。
 「あさこさんのおてつだいしてきたー」
 にこにこと笑う下の子は、どう見ても褒めてくれと言わんばかりだ。
 「…何やってるんだ、お前達は」
 篤はそう言って、盛大に溜息を吐いた。
 「麻子さんが暇なら手伝いなさーいって。覚えといて損は無いからだって」
 本を並べながら場所を覚えさせられ、終った後でそれをテストされたと聞いて、篤と郁は「何の英才教育だ」と内心思いながら、ただただ溜息を吐くのみだった。
 「……この前みたいに危ない事じゃないからまだいいが、図書館員の仕事の邪魔するような事はするなよ」
 「わかってるよ。それのこの前は、目の前に窃盗犯が走ってきたからだし」
 口を尖らせて上の子は、「仕方が無かった」と抗議する。

 先日図書の窃盗があったのだが、その窃盗犯の逃走経路の正面に堂上家を筆頭に、小牧家と手塚家のいつものメンバーの子供達がいたのだ。
 居ただけならまだしも、あろう事か堂上家の上の子と小牧家の子が筆頭になって、犯人を捕まえると言うとんでもない騒動になったのだ。
 
 「あんときはすごかったよね。ランドセル、ストライクだったもんね!」
 下の子が思い出したように言うのを聞いて、篤の眉間に皺がよる。
 
 そう、犯人に向かって教科書入りのランドセルを、堂上家の上の子と小牧家の子がぶつけたのだ。
 それもう見事に犯人の顔面と胴にヒットさせた上に、残りの下の子3人がパチンコでどんぐりをぶつけると言う連係プレーまでして見せた。
 聞けばパチンコは子供達が言うところの「ゴリラ隊長」が与えた上に、狙い方は進藤三監と緒形三監に習っていると言う事だった。

 「…図書館員がすぐ駆けつけてたからいいようなものの、あんな危ない真似は絶対にするなよ!」
 「わかってるって。アレは吉田達がすぐ後ろに見えたからだもん」
 篤の小言に平然と答える上の子に、郁は困ったようなおかしそうな笑みを浮かべ、それとは対照的に篤の眉間の皺は深くなった。
 「でも、アレだよねー。教科書の詰まったランドセルって、一種の武器だよねー」
 「まぁね。でも教科書とか散らばって大変だった」
 あはははと笑う郁と上の子と、拾うの手伝ったと得意げな下の子に、篤は半ば説教を諦めて溜息を吐くしか無かった。

 子供達が図書窃盗犯を捕まえたと言う事は、その直後に連絡が入って堂上班全員が慌てて子供達の元に駆けつけた。
 駆けつけたのだが、子供達は暢気にご褒美の缶ジュースを飲みながら、小会議室でのんびり寛いでいたのだ。
 挙句、「お手柄だってー」などと報告してくる始末で、その場に居た子供達の親が全員頭を抱えたり苦笑したりするしかなかった。
 この一件で一番ご機嫌だったは玄田隊長を筆頭とする特殊部隊で、お祝いムードになっている隊員達に「やめてくれ!」と怒鳴ったのは、堂上と手塚だけだったりもしたのだが。

 「班長なんだから、ちゃんと下の子の面倒見なきゃだめよー」
 おかしそうに言う郁に、「わかってる」とデザートの郁の手作りプリンを上の子は冷蔵庫から持って来た。
 「でもさ、こいつが一番言う事聞かないんだ」
 「ちゃんときいてるー!」
 そう言ってたくさん入っている方のプリンを素早く取った下の子に、上の子は呆れて溜息を吐いただけだった。
 「危ない事には首を突っ込むなよ、頼むから」
 「それはわかってるんだけどねー、無理な時は仕方ないから」
 ランドセルぶん投げ事件みたいにーと言う上の子に、この無茶っぷりは誰に似たのかと篤は頭を抱えたくなった。
 「ごちそうさまー」
 手を合わせ終ると子供達は、揃ってテレビの前に座ってアニメを見出した。
 「それ見終わったらお風呂ねー」
 「わかったー」
 食器を洗いながら郁が声をかければ、揃って返事が返ってきた。
 「ホントにあいつらの、あの無茶は誰に似たんだ!」
 郁から洗い終わった食器を受け取りながら、ブツブツ言っている篤に郁は吹き出した。
 「誰って、あたし達しかいないじゃない」
 ケラケラと笑う郁に篤は眉間に皺を寄せて、それはそうだがとまだブツブツと言っている。
 「それに特殊部隊希望なら、アレくらいで丁度いいと思うよー」
 「は?なんだ、それは?」
 「あれ?言ってなかったけ?あの子達、将来特殊部隊希望なんだって」
 楽しみだねーなどと言う郁に、篤はぽかんとした顔をして見せた。
 「俺は聞いてないぞ」
 「そうだった?小牧教官とこも、手塚んとこもそうなんだって。手塚んとこの双子ちゃんなんて、お母さんの右腕になるんだーだってー。手塚の立場無さ過ぎだよねー」
 それはもうおかしくて仕方が無いとばかりに、郁は笑いながら篤に告げた。
 「まぁなぁ」
 苦笑して子供達を見る篤は、どこか複雑そうな顔をした。
 「図書館員にしろ、あの子達が本当にやりたい事見つけたらさ、全力で応援してあげようね。篤さん」
 洗い終わった最後のお皿を篤に手渡しながら、郁は穏やかな笑みを浮かべてそう篤に告げた。
 その言葉と郁の顔を見て、篤も「そうだな」と短く返した。

 「コイツと一緒にお風呂入ってくるねー」
 「ちょっとおふろにいれられてくるねー」
 下の子を後ろから抱きかかえ、半ば引きずる様にして上の子はリビングからお風呂へと向かった。
 廊下の方からは「あひるたいちょう」だの「みずてっぽう」だの聞こえてくる辺りから、子供達のお風呂は今日も長そうだと、篤も郁も顔を見合わせ苦笑した。





教科書の詰まったランドセルは、鈍器の1種だと思います。
人に投げつけていいものではありません。
パチンコどんぐり(エ○ァとか海○語とは違います)も、人に向けて撃ってはいけません。
パチンコで遊ぶ時は、周囲に気をつけて下さい。

くれぐれも、良い子の皆さんは真似してはダメですよ。


ミニ堂上班の一騒動は、捕り物でした。
ありえなーい!!と言うツッコミは、書いた本人がよくわかってますからー!!

ランドセルとかパチンコは、子供の頃の経験から(え?)
教科書が詰まったランドセルは、本当に鈍器で武器になりますからね。
…どんな子供だったかは、聞かない方向で……。
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図書館

►2008/09/11 22:44 

革命の数年後のお話です。

堂上家には子供がいます。

別冊2発売前に書いたもの。

それでもいいよと言う方はどぞ。


誤字とかあったら、こそりと教えてください。

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《看病》


 目を開けるとクマと目が合った。
 いや、正確にはクマのぬいぐるみだ。
 「…なんだ?」
 まだ頭がぼーっとするが、だいぶマシになってはいるなぁと、ぼんやりと考えながらベッドの上に起き上がった。
 寝室のドアの方に何気に目をやれば、開いたドアの所に立っていた子供と目が合った。
 俺が起き上がるのを確認して、子供はとてとてとキッチンの方へと歩いて行く。
 「あちゅちたん、おっきー」
 そんな声が、キッチンの方から聞こえてきた。

 「篤さん、気分どう?お粥とか食べれそう?」
 そう言いながら、寝室に入ってきた郁は、電子体温計を差し出した。
 「あぁ、食べる。今朝よりだいぶ気分がマシだ」
 電子体温計を郁から受け取って、熱を計りながらそう答えた。
 「そうだね、顔色もだいぶ良くなってる」
 「熱なんて出したの何年ぶりだ?」
 健康管理には気をつけてはいるはずだったが、何年かぶりに熱を出して倒れたのは昨晩の事だ。
 「ここの所忙しかったし、疲れが溜まり過ぎたんじゃない?」
 そう言いながら、郁は新しい冷えピタを俺の額に貼った。
 確かにここの所忙しかったが、それにしたって熱を出すなんて、子供じゃあるまいし。
 少し情けなくなって、溜息が洩れた。

 ピッピピ、ピッピピ

 電子体温計を取り出して見れば、37度だった。
 「これなら、明日には下がってるな」
 「油断しちゃダメだからね。明日まだ熱が下がって無かったら、仕事はお休みだからね!」
 俺から電子体温計を受け取って、郁はそう言って念を押してきた。
 「明日は内勤だから、これくらいなら平気だろう」
 「ダメでーす!」
 べぇっと舌を出して言う郁に、思わず吹き出した。
 いくつだ?お前。
 「はい、パジャマ。着替えてる間に、お粥持ってくるね」
  俺に新しいパジャマとタオルを手渡すと、郁はキッチンの方へ行ってしまった。
 のろのろと着替え出した俺は、ドアの所でこちらをじーっと見ている子供と目が合った。
 眉間に皺を寄せて、なんだか小難しい顔をしている子供に、俺は思わず苦笑した。
 「あちゅちたん、きゆの!」
 着替えの手が止まっていた俺に、早く着替えるようにと子供に注意されてしまった。

 「どう?」
 お粥を食べている俺をじーっと凝視している郁に、苦笑して「美味い」と返した。
 「食べたら、ちゃんとお薬飲んでね」
 「わかてる。それより、さっきからアレは何なんだ?」
 ドアの所で、相変わらずこちらを凝視と言うか、見張っている子供の事を尋ねた。
 「篤さん、熱出して寝てるから入っちゃダメって、言ってあるからじゃないかな?今日はずーっと、心配してあそこから動かないの」
 そう言って郁は、クスクスと笑った。
 「じゃ、コレもあいつか?」
 そう言って郁の目の前に差し出したのは、先程起きた時に目が合ったクマのぬいぐるみ。
 コレはいつも家にいる時は、常に子供が連れ歩いているくらいに、大のお気に入りのぬいぐるみだ。
 「篤さん1人で寝てるのは寂しいから、今日は貸してあげるんだって」
 可愛いよねーと、またクスクス笑う郁につられて、俺も頬を緩ませた。

 「大人しく寝てて下さいね」
 そう言って、布団の上からぽんぽんと軽く叩いて、郁は寝室から出て行った。
 「ご飯にしようねー」
 「ごはーん?あちゅちたんはー?」
 「お父さんは寝てるから、静かにしようね」
 「あちゅちたん、ねんね?しーね」
 リビングから聞こえてくる、温かい声に耳を澄ませながら、俺は徐々に眠りに落ちた。

 「ほら、顔を洗おうな」
 「うー」
 まだ寝ぼけている子供を洗面所に連れて行く。
 「あちゅちたん、げんち?」
 俺の昨日までの熱は、すっかり朝には下がっていた。
 「あぁ、もう元気だ。ほら、ご飯食べなきゃな。保育園行くんだろ?」
 「あちゅちたんもー」
 そう言って子供は俺の手を引っ張って、テーブルについた。
 「早く食べなきゃ、遅刻するわよー」
 そう言って郁は、早く食べるように促した。
 「いちゃだきまちゅ」
 「いただきます」
 他愛無い会話をしながらする朝食に、どこかほっとしている自分がいた。

 「いっちくりゅー」
 そう言って保育園のバスに乗り込む子供を見送って、事務所の方へと歩き出した。
 いつもは郁か俺かのどちらか一方が、子供を送り迎えしているのだが、今日に限って何故か2人揃って送り出していた。
 子供が手を繋いで離さなかったからなのだが。
 「篤さんが元気になって、嬉しいんでしょー」
 ニコニコと笑う郁に、「そうか」と返した。
 「昨日あの子凄かったんだから、ずーっと篤さんから離れ無かったんだよー。心配してたんだから、こーんな顔して」
 そう言って、郁は眉間にシワを寄せて見せた。
 何となく浮かんだのは、自分の事をみていた子供の顔だった。
 確かに眉間にシワを寄せ、小難しい顔をしていたなと。
 「あの顔って、篤さんとそっくりだよねー」
 おかしそうに笑う郁の頭を軽く小突いて、足早に2人で事務所に向かった。
 


 熱でうなされながら、誰かが側に当たり前の様に、側にいてくれる事は幸せなのだと思った。




実はこっそりと拍手に入れてました。
3回押すと出て来ました。

お父さん=篤さん
お母さん=郁
と言うのは何となく理解してるけど、呼び方は名前のままです(笑)





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図書館

►2008/09/05 20:46 

革命よりだいぶ先。

別冊2発売前に書いたもの。

進藤さんと緒形さんのお話。とても短いです。

堂上・小牧・手塚家の子供も出てきます。

そんな話は嫌だという方はスルーして下さい。


誤字とかあったら、こそりと教えてください。

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        《平穏》



 「緒形、あれ見てみろよ」
 窓際に立って外を眺めていた進藤は、そう言って手に持っていたマグカップで、事務所の窓の外を指した。
 言われて緒形も同じ様に窓際に立ち外を見てみれば、少し年の離れた子供の集団がわいわいと騒いでいた。
 「ミニ堂上班か」
 その子供達は関東図書基地、特に特殊部隊の中では有名だった。
 「堂上んとこの上は、中身は完全に父親似だな」
 クククッと猫の様な顔をして笑う進藤に、緒形も同意して頷いた。
 「まぁ、下の子は母親似だから、バランス取れてて丁度いいんじゃないか?」
 緒形がのんびりそう答えれば、おかしそうに進藤も頷いた。
 「確かにな。外見は母親似なのに、中身は堂上そっくりの貧乏くじ体質だしな」
 あの中で一番年長だから仕方が無いとは言え、世話の焼き方が父親の堂上にそっくりなのも、また事実だ。
 「他の子達も親にそっくりだから、余計にそう思うんだろ」
 緒形がそう言えば、進藤は違いないと笑った。

 以前と違い、銃火器を使わなくなったとはいえ、今だに良化隊との抗争は無くなってはいない。
 それでも、子供達が無邪気に図書基地内で遊んでいる姿には、少しは良くなっているのかと緒形は思った。

 「しかし、あれだな。本家堂上班もだったが、ミニ堂上班も見てて飽きないな」
 「あー、わかるわかる。昨日も一騒動起こしてたしな。親共々、話題には事欠かない連中だ」
 「確かにな」
 進藤と緒形は顔を見合わせ笑い合う。
 「さて、そろそろ休憩も終わりだな」
 「あー、もうか。書類は嫌なんだがな」
 渋々席に戻る進藤の後ろ姿に、緒形は苦笑した。

 窓の外からは、子供達の楽しそうな声が聞こえる。
 その声を聞きながら、少しづつ良くなっているんだと思いたいと、緒形はもう一度窓の外を見て微笑んだ。





堂上家は2人、小牧家は1人、手塚家は双子で、5人でミニ堂上班設定。
個人設定だから、気にしないで(苦笑)

同じ官舎住まいだから、仲良しなんだよ。親共々。


(9/5 23:57追記)


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図書館

►2008/07/29 16:54 

革命の数年後のお話です。

堂上家には子供がいます。


それでもいいよと言う方はどぞ。


誤字とかあったら、こそりと教えてください。


※コレは以前に、幸福の花のたねさんから回ってきた「物書きバトン」で書いた、500文字以内お題SSの加筆修正版です。(物書きバトンの日記はこちら)
お題を下さった、たねさんのみお持ち帰り可です。



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         《泣かないで》



 飛び起きて、今自分が居る場所がリビングだと、認識するのに少しかかった。

 心臓が早鐘を打った様に、ドキドキとしているのが自分でもよくわかるくらいに、胸が苦しい。

 結婚してからは、だいぶ見なくなっていたあの時の夢。

 嵐の中、あの人が私の目の前で、銃で打たれた時の昔の夢。

 「…なんでぇ」

 そう呟いた時、薄暗い窓の外から、雨の音がするのに気が付いた。
 夕立だろう、かなり強く降っている。
 この雨音につられる様にして、あの時の夢を見てしまったのだろう。
 あの時も雨が強く降っていたから。
 
 辺りを見回して、あの人を探したが、居なかった。
 それはそうだろう。
 隊長からの急な呼び出しで、仕事に出て行ったのだから。

 「大丈夫、大丈夫」

 呪文の様に何度も繰り返して、自分の気持ちを落ち着けようとした時

 ポタ、ポタタッ

 フローリングの床に落ちた水滴に、自分が泣いている事に初めて気が付いた。
 気がついてしまえば、後はどんどんと流れるだけだった。

 「ぅんー」

 声を殺して泣いていると、小さな声と共に身動ぎして子供が目を覚ました。
 そういえば子供と一緒に、昼寝をしていたのだった。

 「いきゅ、ないちぇぅ」
 まだ眠いのだろうとわかるその幼い声の主は、今だ夢と現の狭間を彷徨っているようだ。
 「ぅんー」
 何とか眠気に勝ったのか、子供は起き上がると、あたしの目の前に立って
 「なんで、ないちぇうー?ないちゃ、めーよ」
 そう言いながら、あたしの頭にぽんぽんと手を置いた。
 見れば、眉間にシワを寄せ、口を尖らせてどこか困った様な顔をしている子供に、あの人の姿が重なって笑えてしまった。
 「いっくー?」
 そんなあたしに、子供は不思議な顔をする。
 「ん、もう大丈夫」
 そう言って、あたしは子供を抱き締めた。

 玄関の鍵が開く音がして、ただいまと告げる愛しいあの人の声がした。

 「…何した?」
 リビングに入ってきて、あたしの顔を見た途端に飛び出した言葉に苦笑する。

 どうしてこの人はいつまでもこうなのだろう。

 「いっくーねー、ないちぇうのー」
 子供の言葉にみるみる眉間にシワを寄せて、溜め息と共に篤さんはあたしの隣りに座り込んだ。
 「何で泣いてる」
 そう言ってあたしの頭に、あやす様にぽんぽんと手を置くのは、いつまでも変わらない。
 「昼寝してたら、怖い夢を見ただけだから」
 「…そうか」
 「うん」
 袖口でごしごしと涙を拭って、にっこり笑った。
 「もう大丈夫か?」
 その言葉に大きく頷くと、篤さんはホッとした様だった。

 「ところで、ベランダの洗濯物は大丈夫なのか?」
 「あーっ!!」
 篤さんの言葉にハッとして、慌ててベランダに向かって見れば、折角干した洗濯物の大半が濡れていた。

 「あーあ」

 心の声を代弁するかの様な、幼い声が下から聞こえてきた。
 見れば子供がニコニコ笑って、「あーあ」と繰り返して言っている。
 いつの間に覚えたのか、最近よく使う言葉なのだが、使うタイミングが絶妙過ぎる。

 「…物凄くへこむんだけど」
 「クククッ、洗濯はやり直しだな」
 「…そうだね、晩ご飯の仕度もやらなきゃ」
 晩ご飯の仕度までと、昼寝したのがいけなかったと思うと、溜め息が出る。
 「さて、どっちがやるかだな。晩ご飯、何が食いたい?」
 そう言って、篤さんは子供の頭にぽんと手を置いた。

 「あちゅちたんばーぐ!」

 目をキラキラさせて、物凄く期待の籠った顔で答えた子供に、お互い苦笑した。
 今のところ、子供の中の一番のご馳走が、篤さんが作ったハンバーグだ。
 「決まりだな。郁は洗濯物頼むな」
 「はーい。あ、目玉焼き乗せがいいなぁ」
 「めんたまやきぃー」
 両手を挙げて、嬉しそうにはしゃぐ子供に、篤さんは苦笑すると
 「郁は洗濯物、お前は玩具のかたずけだ!」
 子供の頭に手を乗せたまま、そう命令口調で告げた。
 「堂上三正、了解しました!」
 あたしがおどけて敬礼してみせると、子供も左手の甲を額に当て、敬礼の真似をすると
 「あいあい」
 と、返事をしてみせた。
 「よし!かかれ!」
 篤さんの言葉に弾かれた様に、子供はお気に入りのクマのぬいぐるみを抱えて、片付け出した。
 あたしもベランダへと出て、雨で濡れた洗濯物を取り込みにかかった。

 空を見上げれば、いつの間にか夕立も止み、雲の切れ間から光が差していた。

 もう大丈夫、あたしは凄く幸せだ。


      《オマケ》

 「あちゅちたん、あーん」
 昼の間に作った、チーズスフレを食後に食べていたら、子供が篤さんの隣に立って、口を開けて待っている。
 「お前、自分の分があるだろう!いらんのか?」
 「ん?たべゆよー。あーん」
 ニコニコ笑いながら、口を大きく開けるので、しぶしぶ篤さんは自分の分を一口、子供の口に放り込んだ。
 「ほら、自分の分を食べろ!これは俺の分だ」
 そう言って篤さんは子供から、自分の分の乗ったお皿を遠ざけた。
 「ほら、いらないなら、食べちゃうよ?いいの?」
 あたしがそう言うと、子供は慌てて自分の席に戻って、食べ始めた。
 「何で、いつも俺のを奪いに来るんだ」
 不貞腐れた篤さんに、思わず笑うと睨まれた。
 「あちゅちたん、ちょーだい」
 いつの間にか、また篤さんの隣に立っていた子供が、フォークを持った手を、篤さんのお皿へと伸ばす。
 その手からケーキを、必死に守っている篤さんの姿がおかしくて、あたしはとうとうお腹を抱えて笑い出してしまった。





「あーあ」と言うのは、友人の子供の話を使わせて貰いました。
すっごいねー、いい笑顔でタイミングよく言うんだよー(笑)
余計へこむから(大笑)

お子様は、篤さんが作ったご飯がすきで、郁ちゃんが作ったお菓子が好きなようです。
チーズスフレは、お父さんとの奪い合い(笑)
ケーキの好みは父親似な模様。

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►2008/07/17 23:58 

革命の数年後のお話です。

堂上家には子供がいます。

堂上親子と手塚のお話です。

それでもいいよと言う方はどぞ。



誤字とかあったら、こそりと教えてください。

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    《プチ堂上とミニ堂上2》


 カツカツカツカツカツカツカツカツカツ

 プピョプピョプピョプピョプピョプピョプピョプピョ

 カツカツカツカツカツカツカツカツカツカツ

 プピョプピョプピョプピョプピョプピョプピョプピョ

 「……………なんでついてくるんだ?」
 手塚は立ち止まると、振り向いて視線を下げた。
 その視線の先には、絵本を抱えた堂上家の子供が、手塚を見上げる様に立っていた。
 「今日は誰と来たんだ?」
 床に片膝をついて、手塚は子供に目線を合わせて尋ねた。
 「あちゅちたん」
 子供から出て来たのは、父親の名前だった。
 「……お父さんとはぐれたのか?」
 「あちゅちたん、おはなちちてゆ」
 子供が言った事から、篤が図書官員か利用者のどちらかと話をしている隙に、うろうろと歩き出したのだろうと手塚は推測して、大きな溜め息を吐いた。
 「児童室で大人しく、お父さんを待ってような」
 大人しくという部分に力を込めて手塚は子供にそう言うと、子供は抱えていた絵本を手塚に差し出してきた。
 「………なんだ?」
 「てじゅかー、こりぇよむのー」
 「は?」
 子供が発した言葉に、思わず手塚は固まった。
 どうやら手塚に絵本を読んで欲しいと、お願いしている様だった。
 昔に比べると、だいぶ苦手では無くなったとは言え、やはり読み聞かせに抵抗があるのは事実だった。
 少し思案して、手塚は子供を先に児童室に連れて行き、その上で子供の父親である上官に引き渡そうと決めた。
 「取り敢えず、児童室へ行こうな」
 そう言うと手塚は子供の背中に片手を添えて、児童室の方へと歩く様に促した。
 「あちゃらしいの、かりりゅのー」
 とてとてと歩きながら、子供は手塚に一生懸命話しかけて来る。
 それに相槌を打ちながら、手塚は周囲に目をやり上官を探した。
 「こりぇね、あちゅちたんといっく、いりゅの」
 そう言って子供は抱えている絵本ごと、上下にピョンピョンと飛び跳ねる。
 子供の持つ絵本は最近入ったばかりで、イヌとカエルが主人公だったはずだ、と手塚は絵本の内容を思い出していた。

 「手塚!」
 呼ばれた方を向けば、そこには篤が立っていた。
 「あちゅちたん」
 そう叫ぶと、子供はとてとてと篤の元へと駆け出した。
 「お前、どこに行ってたんだ?探したぞ」
 篤は子供を抱き上げると、子供の頭をぐりぐりと小突いた。
 「いちゃいのー」
 「勝手に歩き回るからだ」
 「…ごめんちゃい」
 篤に叱られて、子供はしゅんと大人しくなった。
 「悪かったな、手塚。見つけてくれて助かった」
 篤のその言葉に、慌てて手塚は否定した。
 「いえ、見つけたのでは無くて、いつの間にか後ろにいました…」
 「は?」
 手塚の言葉に、篤が怪訝な顔をした。
 「あ、あの、気付いたら、俺の後ろをついて歩いてたんです」
 「…お前、手塚の後をつけたのか?」
 篤の言葉に子供は、意味がわからずきょとんとしたままだった。
 「堂上一正、本を読んでくれと頼まれました」
 その様子を見て、手塚は慌てて説明を付け加えた。
 「…お前、本を読んで貰いたくて、手塚の後を追いかけたのか」
 「てじゅかぁ、よもねー」
 篤に抱かれたまま、子供は絵本を手塚に差し出した。
 「手塚は仕事だから、また今度にしろ」
 子供が差し出した絵本を、篤は取り上げた。
 「てじゅか、ちごと?」
 「そうだ。だから、また今度お願いしような」
 篤がそう言うと、子供は渋々といった感じで頷いた。
 「悪かったな。折角の公休なのに、こいつに捕まって」
 「いえ、書類の息抜きに来ただけですし」
 最近では、緒方副隊長や篤に続いて手塚までもが、玄田隊長に書類を押しつけれる様になっていた。
 「あー、隊長のか」
 そう言って、どこか遠くを見る目になった篤に、手塚は苦笑した。
 「手塚も仲間になったお陰で、俺や緒方副隊長は楽にはなったんだがなぁ」
 その後に、あのおっさんはなーなどと愚痴が続いたので、手塚は思わず吹き出した。
 「あれで、チェックは厳しいからな。めげるなよ」
 俺も通った道だけどなと、篤は手塚の肩を軽く叩いた。
 「あ、はい!頑張ります」
 「てじゅかー、がんばりぇー」
 子供は手を伸ばし、手塚の肩をぽんぽんと叩いた。
 父親の真似なのだろうが、低く過ぎて手塚の肩にしか、手が届かなかった様だった。
 「ありがとうな、本はまた今度な」
 そう言って、手塚は子供の頭をくしゃりと撫でると、失礼しますと篤に頭を下げて、図書館を後にした。
 「さて、本を借りて帰るか」
 「おー、かりりゅー」
 子供を抱いたまま、篤は貸し出しカウンターへと歩きだした。


《オマケ1》

 「こりぇ、あちゅちたん」
 そう言って子供が指差したのは、三角巾とエプロンをしてドーナツを作っているイヌの絵だった。
 「こりぇ、いっくー」
 次にそう言って指差したのは、イヌにお風呂に入れられているカエルの絵だった。
 「…物凄く、複雑なんだけど、篤さん」
 「そうか?俺はそうでもないけどな」
 ニヤニヤと面白がっている篤を、郁は睨み付けたが、篤には利いてはいなかった。
 「実際そんな感じなだろうが」
 クツクツと笑う篤に、思い当たる節が有り過ぎる郁は、何にも言い返せなかった。
 「あちゅちたん、いっく、なかよち」
 子供が片手でぺちぺちと叩いたページには、仲良くドーナツを食べながら、本を読んでいるイヌとカエルの絵だった。
 思わず顔を見合わせて、篤と郁は微笑んだ。


《オマケ2》

 「なぁ、柴崎。イヌとカエルが出てくる絵本って、どんな内容なんだ?」
 「…何?その質問」
 手塚と柴崎が向かい合って食べるのは、いつの頃からか当たり前になっていた。
 「昨日、堂上一正のとこの子供にな」
 そう前置きをして手塚は、昨日の経緯を柴崎に説明した。
 「あー、あれね。世話好きなイヌと、いたずら大好きなカエルの絵本よ」
 「それが、どうやったら堂上一正と郁になるんだ?」
 「だから、世話好きで料理上手なイヌが堂上一正で、いたずら大好きで何するかわからないカエルが郁なんでしょー」
 柴崎の説明に合点がいったのか、手塚は勢いよく俯いて肩を震わせた。





イヌとカエルの絵本は、「バムとケロのにちようび」です。
シリーズでいくつか出てます。
楽しい絵本で、大人でも楽しめると思います。
オススメですよー。

堂上さん家のお子さんは、手塚の事を同位置に見てる気がする(笑)

で、子供の音の鳴る靴やサンダルは、どの様に表現すればいいんでしょうかー?(困)
私が聞こえたままで書いたら、あんな感じなんですがー(汗)



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